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「時間を差し上げる」ボクはやっと認知症のことがわかった④

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「ボクはやっと認知症のことがわかった」という本を読んで思ったことをお伝えしていきます。

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認知症になってわかったこと

前7章あって、今回は第3章の一部について感じたことを介護職10年目の介護福祉士としてお伝えしようと思います。

第3章の見出しは

・固定したものではない
・置いてきぼりにしないで
・時間を差し上げる
・役割を奪わないで
・笑いの大切さ
・みんな違う・その人中心のケア
・騙さない

となっています。

今回は
・固定したものではない
・置いてきぼりにしないで
・時間を差し上げる
について、特に
「時間を差し上げる 」ことについて
お話ししたいと思います。

固定したものではない

グラデーション

固定したものではないというのは
「認知症になったら、人が変わる」というわけではない
ということ。

調子の良い時もあれば
調子の悪い時もある。

それはグラデーションのように起こります。と。

これは言われてみたらそうだなあと感じます。

私たちでは理解し得ない話しや、行動をされるときもあれば
お話しも理解できて、会話ができることもある。

ご家族様の前、医師、認定調査員の前では、しっかりとお話されている。

なので特に、ご家族様は状態がわからなくて
ホントに認知症なの?
と思われる方もいらっしゃいます。

心配させたくない

ご家族様に心配をかけないようにしようとされているのか
ご家族様の前では、親でありたいと思うのでしょうか

瞬間的に
ブレインストームというか
高回転というか
活性化するんでしょうね。

ご家族様が帰られてしまうと…

まあ、いろいろな行動が見られることがあり
スタッフとしてはちょっと大変なこともありますが

ご家族様の前では頑張っていたんだなあ
と思うと、笑みがこぼれます。

置いてきぼりにしないで

悲しみ、辛さ、苦しさはみんな同じ

ご本人を抜きで話しを進めないで欲しいということ。

認知症になると、「あちら側の人間」として
扱われることが多く見受けられると。

無視されたり、悪口を言われたりと
軽く扱われる場面を見かけると。

自分がそれをやられたらどうですか?

無視される、軽く扱われたときの
悲しみ、苦しみは
みんな同じです。

自分に関わる話しなのに
自分抜きで話しをされることの
悲しさや、辛さ、苦しさを
考えてみてください。

ご本人の気持ちをうかがう

無視する、軽く扱うということに関しては
わかります。

でも、必ずしも
認知症だから、何もわからないから
ご本人を抜きにしている
というわけではないと思います。

ご家庭によって事情は様々。

いずれにしても
ご本人の気持ちをうかがうことが
重要だと思います。

時間を差し上げる

「聴く」ということ

私には
「時間を差し上げる」
という思考は持ち合わせていなかったです。

時間を差し上げるとは
話しを聴くことであり、待つこと。

相手の話しをよく聴いてほしい。

介護者に
「ああしましょう」「こうしましょう」と言われると
他にやりたいことがあってもいえなくなってしまう。

ユマニチュードのお話しでもしましたが
主導権が介護者に渡ってしまい
自分で決めることができなくなってしまう。

強制的になってしまうし、意欲まで奪ってしまう。

「何をなさりたいですか?」
「どの服を着られますか?」

とご本人に選択、決定をしていただけるお声かけをする必要があります。

「待つ」ということ

認知症に関わらず、ご高齢やご病気で、今までスムーズにできたいたことが上手くできなくなります。

一言返事を返すだけでも
食事に手をつけ始めるだけでも
眠りにつくことだって
排泄を行うことだって

時間がかかることがあります。

あらゆる機能が低下しているんですから
当たり前ですよね?


すぐにできなくて
もどかしさを感じることもあるでしょう。
でも、一番感じているのは、ご本人様です。

ご本人の気持ちを理解できれば
待つこともできるのではないでしょうか。

ホントにできると思います?

大切なのはよくわかりますし
そうして差し上げて気持ちはあります。

基本的にスタッフはみんなわかっているんです。

でも、実際に現場でこれができますか?

私は、「できるし、できない。」と答えます。

なんだそれ?って思います?

できるときは
その方だけに差し上げられる時間があれば。

でも、現実問題、ご利用者様はお一人ではない。
スタッフだって少ない。

やりたくたって、できない。

そんななかでもしっかり向き合って、時間を差し上げているスタッフはいますよ。すごいと思う。けど、

もし、自分だけはできる。やっていると思っているのならば
ちょっと考えて欲しいコトがあります。

他のスタッフもやっている

その分周りのスタッフがサポートしていることを理解して欲しいと思います。
ご利用者様に時間を差し上げているスタッフ、すごいですよ。ホントに。続けていていって欲しい。

でも、周りのスタッフは、あなたに時間を差し上げていて、それはつまり、ご利用者様にも時間を差し上げています。

あなた一人が時間を差し上げているわけではない。ということは、理解しておいて欲しいなと思います。

「森も見てください」

「みんなもやってよ!」という方もいます。

この気持ちもよくわかります。

明らかにできる環境、つまり
利用者様に差し上げられる時間がある
という環境であれば

みんなにもやっていって欲しい。

「なんでみんなやんないの?入所者さんのこと考えてるの?」とかいう方、いらっしゃいませんか?

繰り返しますが
ご入居者様はお一人ではないです。
スタッフも充実していないんです。

入居者様、スタッフ全体を考えているんです。

木を見て森を見ずの方に言われたくない。
そんな風に思いませんか?

しっかり差し上げられるだけの時間を作ることも考えてく欲しいと思います。

もしくは、だれか一人でも、スタッフが時間を差し上げられるようにサポートする仕組みを作っていく。

そのほうが現実的ですよね。

全員にそれを求めてしまうと
ストレスになりかねない。

ストレスは心の病を生むし
大きな事故を引き起こす要因となる。

そこまで考えていただけたらと思います。

できないからやらない?

できない理由はわかっていますし、自分自身も感じてきたこと。

だけど、「できない」からやらない。ままでいいですか?
とも思います。

時間を差し上げたい方のサポートに徹底する。これは間接的に時間を差し上げていると考えられる。

けど、「あのスタッフは時間がかかってしょうがないよね」という方は実際に、そのスタッフの行動を見たことがありますか?
見た上で、「単純に楽をしようとして遅い」スタッフだったら…まあ、面談が必要ですけど…

でも、そうじゃなくて、本気で向き合って時間を最大限差し上げているスタッフにたいしてそう思わないでいただきたいと思います。

「あの人遅い」「何で自分ばかりがサポートなの?」と不満があるなら、何か変えようとしましたか?
「上に進言したよ」は行動としては弱いです。
いや、行動しただけすごいんですけど、それだけではほとんど変わらなかったでしょう。

何をすれば変わるか?何をしなければ変わるか?
何を変えれば、変わるか?

考えて、行動してみてください。

何をやってもかわらなかったら、居場所を変えることをおすすめします。

最後に

「できることなら、時間を差し上げたい。」

それは、言葉は違えど、みんな思っていること。
そうできるように、行動してみてください。

私は、中から変えられないなら、外から変える!
そんな思いもあって独立しました。

上手くいくかわからない。
怖いし、不安

でも、愚痴ってるだけよりイイ。

絶対変える。

そう思って、少しずつですけど頑張ってます。

みなさんの希望になれたらいいなあ。そう思ってます。

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